まず、精神的ストレスによるかゆみの増強メカニズムについてご説明します。
脳に精神的ストレスが加わると、皮膚に存在するC線維末端からのサブスタンスPの放出が増加することが知られています。
C線維からのサブスタンスPの放出が増加すると、「肥満細胞の活性化・脱顆粒」作用が増強され、ヒスタミンによるかゆみ「ヒスタミン依存の経路」が増強されます。また、サブスタンスPはC線維に対する直接作用も有するため「ヒスタミン非依存性の経路」も増強されます。
すなわち精神的ストレスが加わると、サブスタンスPによる２つのかゆみの経路がそれぞれ増強され、より強いかゆみ感覚を生じさせます。