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子供の睡眠不足として考えられるのは?

 少し古い文献ですが、大川匡子さんの「子どもの睡眠と脳の発達 ─睡眠不足と夜型社会の影響─」を参考にさせていただきますと、生体時計が制御している神経調節ホルモンの中で重要なのがメラトニンであり、このメラトニンは昼間の明環境で低く、夜間の暗環境で高く分泌され、全身の末梢臓器にも伝達され、身体のリズムを整えている、とあります。これが生体時計による睡眠の調節です。

 さらに睡眠脳波を見ると、出生後1ヶ月頃までは1日の2/3を占めている睡眠の約半分がレム睡眠であり、その後、レム睡眠は劇的に減少して小児期には20%ほどになり、さらに漸減するとあります。睡眠全体としては10歳ごろまでに10時間程度に減少し、レム、ノンレム睡眠の割合もほぼ成人と同じようになっています。