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Notes:


 典型的なパーキンソン病は、筋固縮、無動、姿勢反射障害が相互にオーバーラップするため、右図のように猫背で、首が持ち上がり、膝が曲がっている患者さんが多くみられます。これらは横から見たときに非常によくわかります。
参考
 パーキンソン病は、ゆっくりと進行する疾患であるため、その症状も病気の悪化とともに少しずつ増えてきます。
 多くは片方の手の細かいふるえで始まり、同じ側の足に進みます。数年のうちに、もう一方の手や足などにも振戦が現れてきます。振戦は筋肉が収縮していない安静状態のときに、目で確認できるほどの早さ(4〜7Hz)で規則的にふるえます。これを安静時振戦といいます。わかりやすい症状ということもありますが、患者の6〜7割が振戦を初発症状としています。動作時には消失するので日常生活を妨げることはなく、他人に指摘されて初めて気づくことも少なくありません。
 しかし、他の症状が出ていないのではなく、本人やまわりが気づいていない場合が多いと思われます。振戦、無動、歩行障害の三者で初発症状の90%以上を占めます。
 この間に、動作が鈍く、遅くなる無動が現れ、歩きにくい、転びやすい、急に動けないといった症状が起こります。腰と膝を曲げた前かがみの姿勢をとり、腕を振らず、足を床にするように歩いたり、歩幅が小さく小走りのようになり、つまずきやすくなります。