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Notes:


前のスライドで述べたパーキンソン病の特徴的な病理学的所見のうち、
1)中脳の黒質緻密部におけるメラニン色素含有神経細胞の変性・脱落について説明します。
 黒質は緻密部と網様部に分けられますが、緻密部にはメラニン色素を持った神経細胞が多くを占めています。メラニン色素含有神経 細胞は、大脳基底核の線条体に軸索を送っており、線条体にある神経細胞とシナプスを形成し、メラニン色素含有神経細胞に多く含まれるドパミンがドパミン受容体に情報を伝達しています。
 パーキンソン病では、このメラニン色素含有神経細胞が変性・脱落し、ドパミンが著明に減少するために起こります。
 右の図のように、正常人の黒質は、メラニン色素のために黒色に見えますが、パーキンソン病になると、左の図のように、メラニン含有神経細胞が減少し、淡く見えるようになります。